日本人の目の色は黒じゃなくて茶色?意外と知らない目について

自分の目は何色かと質問されると、日本人の多くは「黒」と答えるでしょう。しかし実は日本人の多くの目の色は真っ黒ではなく茶色なのです。そんな目の色と茶色以外の色についてもご紹介します。当たり前に見ている自分の目を見つめ返してみるのもおもしろいですよ。

どうして目の色は違う?
記事番号:19415/アイテムID:565253の画像
出典:http://alfamilyeyes.com

ヒトの虹彩の色(ヒトのこうさいのいろ)は、いわゆる目の色(めのいろ)、瞳の色(ひとみのいろ)のことで、遺伝性の身体的特徴である。主にその表面にある色素に由来し、ヒトやその他の動物は虹彩の色に関する表現型に変異を示す。

出典:https://ja.wikipedia.org

虹彩は目の色にも関係しています。目の色は、茶色、青色、グレーや緑色と多彩で、虹彩に含まれるメラニン色素の量によって変わってきます。
メラニン色素は、有害な紫外線から身体を守る役目を持っている色素です。太陽の光が強い暑い国ではメラニン色素が大量に蓄積されて黒や茶色などのひとみになり、逆に太陽光が弱い寒い国ではメラニン色素の量が少なく、グレーや青色のひとみになるといわれています。

出典:https://www.santen.co.jp

メラニンとは、太陽光線に含まれる有害な紫外線などから私たちを守ってくれている大切な色素です。 目以外に肌、髪などにもあります。一般に、虹彩のなかのメラニン色素の量が多いと茶色となり、少ないと青色になるといわれています。 日光の照射率が高い国では、紫外線から守るために、虹彩内にメラニン色素が大量に蓄積され黒色や茶褐色の目になります。 反対に、日光の照射率が低い国では、虹彩内のメラニン色素の量が少なく、青色などの薄い色の目になるといわれています。 また、同じ人でも、メラニンの生成量が少なくなったり、日光の照射率が違う土地へ住むと、目の色も変わります。 メラニンの生成量が、環境により異なるのですね。

出典:http://www.nidek.co.jp

近年の研究で青い目は6000年から1万年前に生まれたとかで、それ以前には青い目の人はいなかったといいます。
ある意味突然変異で出てきたという青い目は、世界の人口の3割合程度と言われています。

また、虹彩の色やそのパターンは個々で微妙に異なり、指紋や静脈と同じように同一の虹彩パターンを持つ人はいないといわれています。
そのため、個人認証に使われることもあり、様々な場所のセキュリティとして使われています。

日本人の目の色は茶色?
目の色が茶色くなる人種は?
記事番号:19415/アイテムID:565250の画像
出典:http://www.saturn.sannet.ne.jp

ブラウンの目は多量のメラニン色素を虹彩のストロマに含んでおり、ダークブラウンは概して黒く見る場合が多い。人類の中で最も多い色であり日本人の大半がブラウンに属す目の色を持つ。尚、バルト海沿岸の国(フィンランドやエストニア)などでは最も少ない色でもある。

出典:https://ja.wikipedia.org

最もメラニン色素が多い色でもある。最も多い色であり、どんな人種にも見られる色である。個体差もあるが、アフリカ系、アジア系のヒトのほとんどは濃いブラウンで、「黒」と見られる場合も多い。日本で、「目が黒いうちに」と言われるのは、日本人のほとんどは濃いブラウンの虹彩であることに由来する。明るいブラウンのヒトも多いが、濃いブラウンほど多くはない。

出典:https://ja.wikipedia.org

目の色を構成する色素である茶色、黄色、青の中で、これらの色の混ざり具合で目の色は変わります。
日本人は黒髪黒目と言いますが、実は濃い茶色で純粋に黒くはないのです。
モンゴロイドである日本人の大半は茶色で、純粋に黒い目は黒人に多いと言われますが、メラニン色素は茶色で、実際には物凄く濃い茶色の目なのです。

これらの違いは遺伝的に持っているメラニンの量の違いです。
もともとメラニンは太陽の紫外線から身体を守る為のもの。
太陽光の強い地域ほど肌が黒くなりやすく、また目の色も黒(物凄く濃い茶色)や濃い茶色になりやすいのです。

日本人でも青い目の人がいるんです
記事番号:19415/アイテムID:565246の画像
出典:http://community.babycenter.com

東北地方では青い目の日本人がいるという話も聞きます。

ただ、白人のようにはっきりした色ではなく、遠目で見ると青みがかっていたり、グレーに見えるという程度のようです。

これらの理由ははっきりとはわからないのですが、先天的な場合は、遺伝子の突然変異によるものと考えられています。

出典:http://bijin-jouhoukyoku.org

東北のある地方には、青い目の人々がいるという。それもかなりの 人数であり、その一族や家系には、海のように真っ青な瞳の持ち主が 出現することもあるとか。
もちろんヨーロッパの白人との混血ではな く、代々その土地で生活してきた生粋の日本人の血統である。

出典:http://mario.gnk.cc

目の色は遺伝とメラニンの量によって決まります。
そして日本人の多くが濃い茶色であるのに、青い目の人がいるのは驚きです。
東大、医科学研究所、医学部のグループが調べたところ、この青い目の人が生まれる地域では白人と共通の遺伝子を持っている人がいるのだとか。

日本人の成り立ちには諸説がありますが、はるか昔に大陸から日本列島が地殻変動で分離された時に残っていた人達や、その後海を越えて渡ってきた人達の血が混ざって今の茶色の目の色を持つ日本人を作っていったと考えられます。
そのなかで青い目の遺伝子を持った人達が東北地域に集まったというなら、なんとなく納得できますね。

目の色は変化する
記事番号:19415/アイテムID:565226の画像
出典:http://www.skintots.com

左右の虹彩の色が違うことを虹彩異色症(Heterochromia iridis)と呼ぶ。ヒトでは極めて稀であり、問題のない先天性の遺伝子疾患のほか、怪我が原因の視力障害でも色が変わることがある。

出典:https://ja.wikipedia.org

昨年10月、医師のイアン・クロジャーは、エボラ出血熱に感染したが回復し、エモリー大学病院を退院することができた。ところが、数か月後、クロジャーは左目に痛みを覚え、視力が低下、数日で目の虹彩の色がブルーからグリーンに変わってしまったという。

出典:http://karapaia.livedoor.biz

病気による変化以外にも目の手術の後遺症や事故によって目の色が変わることがあります。
かのデヴィッド・ボウイも事故によって左目の瞳孔が開いたままになり、元々の青い目と茶色の目の色になりました。

人工虹彩で目の色が変わる?
記事番号:19415/アイテムID:565216の画像
出典:http://www.ayrshireeyeclinic.com

局所麻酔をした角膜に切れ目を入れ、2.8 mm程度の薄いシリコン製の人工虹彩レンズを入れるだけの簡単な手順です。手術は片目につき15分程度で終わり、無痛で安全だと言われています。
手術後の数日間は、車の運転、重い物を持つこと、スポーツを控えるくらいなので、レーシック手術と同じようなイメージです。
人工虹彩レンズは好きな色を選ぶことができ、さらに、問題がある場合は人工虹彩レンズを除去することで、容易に元の状態へ戻ることが出来るそうです。

出典:http://www.kotomatome.net

この人工虹彩移植の技術は、アメリカはニューヨークの眼科医であるケネス・J・ローゼンタール博士によって開発されましたものです。
元々は左右の眼で虹彩の色が異なる虹彩異色症(オッドアイ)の人や、目のメラニンが生まれつき少ない白皮症(アルビノ)の人の為の医療技術として開発されたもので、事実この技術によって視力を回復した事例もあります。
しかし現在は治療用というより、美容整形として目の色を変えたい人達に人気の施術となっています。

人工虹彩移植のリスク
記事番号:19415/アイテムID:549930の画像
出典:http://www.bellomag.com

 米国眼科学会(AAO)は10月31日、人工虹彩移植術に関する最近のメディア報道を受け、深刻な眼損傷や視力低下、失明を招く恐れがあることから、消費者に移植術を受けないよう警告した。

 虹彩移植術は瞳の色を変えるために行うもので、局所麻酔により角膜に切れ目を入れ、シリコン製の折りたたんだ人工虹彩を挿入後、広げて元の虹彩を覆うよう調整する。臨床試験での安全性確認や米国規制当局の評価は行われておらず、米国食品医薬品局(FDA)は承認していない。

出典:https://www.m3.com

エール大学の緑内障の専門家ドクター・ジェームズ・ツァイは、ネットで言われている安全性については不確実だと疑問をなげかけている。この手術によって、眼圧が上がって緑内障や白内障を引き起こしたり、角膜が傷ついたり、視力が衰えたり失明する危険性は否定できないそうだ。

出典:http://karapaia.livedoor.biz

目の色を変える技術というのは素晴らしいものではありますが、目にメスを入れる以上相応のリスクが生じるは当然といえます。

実際に米国眼科学会ではこの技術に対し警鐘を鳴らし、人工虹彩ではなくカラーコンタクトの着用を推奨しています。
これは実際の症例として、人工虹彩を入れたことで合併症を起こし視力低下や失明、眼白内障、角膜損傷などの深刻な症状を引き起こしているからです。

茶色以外の目の色
記事番号:19415/アイテムID:549942の画像
出典:http://listovative.com

人間の目の色は当たり前ですが茶色だけではありません。
茶色以外の目の色をご紹介します。

ヘーゼル
記事番号:19415/アイテムID:565032の画像
出典:http://www.sodahead.com

淡褐色とも呼ばれるこの目の色は、実は日本人も多く持っている茶色です。
青い目と濃い茶色の間に出やすい色で、緑色や金色といった複雑な色に見えるのも特徴です。

アンバー
記事番号:19415/アイテムID:565050の画像
出典:http://www.onlyeyesknew.com

琥珀色(アンバー)の目の色は、金色ともオレンジ色とも見える印象的な色です。
虹彩の色素である黄色が沈着した色で、光の加減で茶色や金色に見え、狼の目とも呼ばれます。

グリーン
記事番号:19415/アイテムID:565082の画像
出典:https://www.pinterest.com

緑色の目の色は世界中に見られますが、特にアイスランドでは人口の88%が緑か青の目を持っているといいます。
またドイツやオランダでも緑色は多く、アフガニスタンのパシュトゥーン人も緑の目を持つ人々と呼ばれているそうです。

ブルー
記事番号:19415/アイテムID:565131の画像
出典:http://www.womenshealthmag.com

6000から10000万年くらい前に黒海付近で突然変異で生まれた青い目は、世界の17%ほどと茶色の目に比べてとても少ない目の色です。
劣性遺伝子であるため、茶色の目の日本人と青い目の外国人の間に生まれた子供は茶色の目やそれに近い濃い色の目になることが多く、ごく稀に青い目になることがあるそうです。

グレー
記事番号:19415/アイテムID:565110の画像
出典:http://woman-health-club.com

青い目よりもメラニン色素の割合が高く、ダークブルーとも言われます。
ロシアやフィンランド、バルト海沿岸に多く出る色で、とくにバルト海沿岸は茶色の目の色が最も少ないので、茶色が多い日本とは正反対のように思えますね。

レッド
記事番号:19415/アイテムID:565161の画像
出典:http://www.buzzle.com

先天性白皮症(アルビノ)は先天的にメラニン色素が欠乏している疾患です。
その為、本来はメラニン色素によって様々な目の色になるはずの虹彩が目の中の血液の色をそのまま映して赤くなります。
しかし必ずしもアルビノの人の目は赤いとは限らず、薄い青色や灰色の人もいるようです。

ヴァイオレット
記事番号:19415/アイテムID:565193の画像
出典:https://www.pinterest.com

赤と青の色素の混合や反射によって生まれるヴァイオレット(青紫色)の目を持つ人はごく稀で、アルビノの人が持っている場合もあります。
非常に少ないので、目の色が紫の人の多くはカラーコンタクトを使用していることがほとんどです。

このほかにも目の一部が茶色であったり、緑だったりと違う色を持つ人や、左右の目の色が違う虹彩異色症(オッドアイ)の人もいます。
ファンタジーの中ではありふれた目の色も、現実では発現しなかったり極希少であったりと、目の色の違いは不思議でおもしろいものですね。

まとめ
記事番号:19415/アイテムID:549948の画像
出典:https://sincerelyyoursjamie.wordpress.com

いかがでしたか?
日本人の多くの人が自分の目の色は黒と答えますが、じつは茶色や茶褐色などの色があるのは意外ですね。
カラーコンタクトで様々な目の色を楽しむのもいいですが、自分の生まれ持った茶色い目の色を見せるのもすてきですね。